Software as a Barrire（SaaB）からの脱出
ライフサイエンス業界はデジタル・カスタマー・エンゲージメントの転換点に来ています。調査によると、医療従事者（HCP）はコンテンツにオンラインで簡単にアクセスすることを求めており、3分の2のHCPが医薬品情報へのデジタルアクセスを望んでいます。1）
デジタル戦略を進化させて新規チャネルを活用し、HCPの嗜好に合わせてエンゲージメントを進める企業は、競争優位を実現することでしょう。しかしライフサイエンス業界の課題は、技術的な限界や薬事規制要件により、デジタル化の進みが遅いことです。こうした状況を私は「Software as a Barrier（SaaB）」と呼んでいますが、これは他の多くの企業でもよく見かける事象です。何かを実現してくれるはずのシステムやテクノロジーがうまく機能せず、簡単なプロセスでも質の悪い技術のせいで停滞してしまうのです。「SaaB」は、「サァブ（sob：泣きたくなる）」と発音します。泣きたくなるほど惨めな状況だからです。
Veevaの新しいアプリケーションは、ライフサイエンス業界のデジタルチャネルを開放して、この「SaaB」を解決することをお約束します。業界初となる単一統合のソリューションVeeva CRM Engage Meetingを活用すれば、HCPとのWeb会議やビデオ会議を、コンプライアンスを遵守しながら簡単に実施できます。このソリューションはVeeva CLMとシームレスに連携するように構築されており、承認されたコンテンツの再利用が容易です。
Engage Meetingの目標は、「Software as a Barrier (SaaB)」を、役に立つサービスとして真の「SaaS」に変えることでした。クラウドコンピューティングモデルを記述するのに「Software as a Service（SaaS）」という言葉がよく使われますが、これはソフトウェアがうまく動作してすばらしい利点が得られることを意味します。私たちは直接的・即時的なエクスペリエンスを容易に得る事ができ、私たちが毎日やらなければならないことをソフトウェアが実現してくれます。つまり「SaaB」の対極です。
「SaaB」は私たちの邪魔をし、ビジネス上の問題を複雑にして、スピーディに行動できなくしてしまいます。今日では様々テクノロジーが発達し一般化しており、日々の生活の中で「SaaB」の様な失敗を経験することはほとんどありません。しかし私たちが消費者として当たり前にできる内容とビジネスで達成できる内容の間には、まだまだ驚くほどの違いがあります。
電子メールの例で考えてみましょう。業界調査によると、MRが医師と連絡をとるのに最も効果的な方法は個人的に電子メールを送ることであり、HCPが懇意なMRからの電子メールを開く率は、企業からの広告メールに比べて35％高いことがわかっています。2） しかし、ライフサイエンス業界では、MRから医師宛に個人的にメールを送ることは、長年にわたる課題となっていました。コンプライアンス上の懸念から、製薬会社では一般的な電子メールマーケティングソフトウェアを利用することが禁止されていて、電子メールのチャネルは事実上閉じられてきたのです。お客様である製薬企業の「SaaB」による限界を取り払うため、私たちはコンプライアンスを遵守しながらMRとHCP間の電子メール通信を可能とするVeeva CRM Approved Emailを導入しました。また、マルチチャネルVeeva CRMの一部として、ターゲットとなる医師の行動に関するインサイトが、対面/コールセンター/Web、そして現在ではオンラインミーティングなど、すべてのインタラクションで収集されたデータと統合されます。
私たちはオンライン会議にも同じアプローチを適用し、ライフサイエンス業界とHCPのために「SaaB」を取り除き、デジタルチャネルを完全に活用できるようにしています。6月に米国で開催したCommercial Summitで、私はVeeva CRM Engage Meetingについてけ紹介し、ライフサイエンス業界におけるカスタマー・エンゲージメントの今後についていくつかの展望を示しました。お客様の成功を阻むバリアをVeevaがどのように取り除いているかを知るには、以下のビデオをご覧ください。また、Veeva CRM Engage Meetingの詳細については、弊社のプレスリリースをお読みください。
1）「デジタルダイナミック：医薬会社と医師の関係を変える」、キャップジェミニ・コンサルティング、2013。
2）ZSアソシエーツ、「アクセスモニター2013 エグゼクティブサマリー – 医薬会社MRの医師へのアクセス：アクセス数の減少は新規の販売モデルを示唆する」、Pratap Khedkar、2013年7月。