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コアパッケージに対するグローバルアプローチ:薬事申請とバリエーションを簡素化し、迅速化する

規制の変化、サプライチェーン要件、およびスタッフの継続性の問題により、ローカルの薬事申請準備はますます複雑化しています。これを放置すると、準備期間が長期化し、薬事チームの作業が増えることになります。

ローカライズされた薬事申請文書の必要性は常にあります。複数の市場に申請する文書の場合もローカルコンテンツが必要であり、規制当局(HA)ごとに照会事項が発生するため、コア文書との相違が生じます。しかし、コアパッケージからローカル申請までの送信と更新サイクルを自動化することで、薬事チームはライフサイクルバリエーションを迅速化できます。

従来のフォーマットでは非効率

コアパッケージフォーマットとは、本社によって作成され、ローカル市場での申請に使用される一連の文書のことです。当初は申請準備の合理化と迅速化が目的でしたが、現在使用されているフォーマットのほとんどは、グローバルチームとローカルチームの間でトレードオフが発生する原因となっています。

一般に、コアパッケージには2つのスタイルがありますが、どちらも完璧ではありません。1つは、特定のHA(通常は米国またはEU)の枠組みに基づいた包括的な文書で、ローカル市場ごとの相違に合わせて調整されます。このパッケージは、グローバルチームにとっては管理しやすい一方で、コンテンツと申請のレビューを担当するローカルチームにとっては負担が大きいという欠点があります。というのも、ローカルチームは特定のローカルコンテンツ要件に沿って申請する必要がありますが、コアパッケージにはグローバルに共通する要素しか用意されていないからです。

もう1つのスタイルは、要件が類似する一部の国向けのコアパッケージを作成した上で、共通のコンテンツへのリンクを作成するというものです。このアプローチでは、ローカルチームの労力は少なくて済みますが、グローバルチームはローカル規制の変化の監視とそれに応じた調整に苦労することになります。

各フォーマットの長所を組み合わせたハイブリッドコアパッケージアプローチなら、レビューおよび承認サイクルの簡素化が可能です。これを実現するには、グローバルチームが登録済みコンテンツを取り込んだ単一のコアパッケージを作成した上で、市場関連文書をレビューのために送信します[図1]

図1:適切なコアパッケージ管理の要件

グローバルとローカルの連携強化

逐次プロセスに代わるより効果的な手段として、グローバルチームとローカルチームの並行作業があります[図2]

このアプローチに従って、本社は申請文書を事前に評価し、グローバルコンテンツプランを作成してから、レビューのためにローカルチームと共有します。受領後、ローカルチームは不足している情報を補い、ローカル文書を準備し、翻訳を開始します。その間、本社は(コンテンツプランへの登録済み文書の取り込みなどにより)グローバル文書を確定した後、承認済みコンテンツの準備が完了したことをローカルチームに通知し、送信します。

図2:並行プロセスを軌道に乗せる

出典:Veeva Business Consulting

ローカルチーム(アウトソーシングパートナーまたは社内薬事チーム)が適切な文書バージョンを見つけて作業する必要がある場合、貴重な時間が無駄になります。テクノロジーにより、準備、配布、および当局への申請等のローカルチームの作業負荷を軽減することで、グローバルチームとローカルチームの効果的なコラボレーションを支えます。

グローバルチームとローカルチームが Veeva Vault RIM を使用することで、次のことが可能になります。

  1. コンテンツプラン作成の効率向上
    テンプレートからグローバルコンテンツプランが自動的に生成され、プレースホルダーが挿入されると同時に、さまざまな市場からコンテンツが収集されます。
  2. 期限どおりの要件遵守
    セクションオーナーに責任と期限を割り当てると同時に、リアルタイムのトラッキングにより不足している情報を簡単に特定できます。
  3. 登録済みコンテンツの変更の特定
    文書の自動照合などの機能は、承認済みコンテンツの検索や特定の文書バージョンのロックに役立ちます。関連グループ(臨床、メディカルライティングなど)は、管理された環境でコンテンツを表示して使用します。
  4. 特定の文書またはセクションの共有
    ローカルチームは、繰り返し送信されるグローバルコンテンツプランの一部または全文をプレビューできます。
  5. 申請コンテンツプランとの比較
    申請コンテンツプランは、グローバルコンテンツプランから自動的に作成され、グローバルコンテンツプランとの比較も可能です。ローカルチームは、提案された更新を受け入れまたは拒否できます。

サイクルごとの簡素化

組織の理解が深まるにつれて、通常はグローバルチームとローカルチームのレビューサイクルが少なくなります。つまり、規制の複雑さにかかわらず、申請を支えるプロセスが時間経過に伴い、徐々に簡素化されるということです。その結果、HAの照会事項が減ると同時に、申請が迅速化されます。