Novo Nordisk社：モジュラーコンテンツで資材制作時間を4分の1に短縮

2018年、Novo Nordisk社は大きな機会に恵まれると同時に、大きな障害に直面していました。糖尿病、希少出血性疾患、成長ホルモン障害、および肥満の治療に特化したデンマークの製薬企業である同社は当時、パイプラインの拡大が急速に進んでおり、コマーシャリゼーションをサポートするコンテンツの需要も拡大が見込まれていました。コンテンツ制作コストが3倍に増加し、その時点ですでに面倒であったレビュー・承認プロセスも増加するとの見通しから、同社はそれに対応する手段を模索する必要に迫られていました。そこで、デジタルアセット管理システムとしてVeeva Vault PromoMatsを選び、コンテンツ制作に対するアプローチの変革に着手しました。

Novo Nordisk社のマーケティングオペレーション担当グローバルディレクターであるAlejandra Betancourt氏は、次のようにコメントしています。「変革が必要な部分はわかっていました。モジュラーコンテンツを中心とするVeevaとのパートナーシップのおかげでその変革に着手できました。」

コンテンツを増やしたいが、予算は増やせない

Novo Nordisk社は、コンテンツ制作に対するアプローチを見直す必要がありました。旧システムは拡張することができないうえに、レビュー・承認プロセスに非常に時間がかかり、非効率的でした。また、グローバルニーズとローカルニーズに対応するために、1,500社のコンテンツ制作業者のネットワークを構築していましたが、旧システムでは各社とのコラボレーションが困難でした。

Novo Nordisk社のチームは、予想されるコンテンツの増加に見合った予算の増額が認められないことはわかっていました。過去の経験からVault PromoMatsの扱いに慣れていたチームは、Vault PromoMatsを利用することで、自社でのコンテンツの制作とレビューを迅速化できるだけでなく、容易に他の資材に再利用可能な資材を制作することもできるのではと考えました。そこで、チームはVault PromoMatsを導入し、その過程において、Veevaがモジュラーコンテンツの使用に関する新たな業界標準を確立することに協力しました。

資材のモジュール化、レビューの効率化、再利用の促進

Novo Nordisk社は3つのブランドを手始めに、透明性、効率、アジリティ、インサイトに基づいて、医療従事者（HCP）向けコンテンツに対する新たなアプローチを定義しました。Vault PromoMatsは、テキストのパラグラフまたはグラフィック要素ごとに、関連付けされたレビューおよび承認とともに個別モジュールとして保存することができます。そのため、モジュールを利用して新しい資材を制作する際に全体のレビューを行う必要がなくなります。

「すべてが適切にグループ化されるため、コンテンツによっては審査担当者レビューを最適化できます。審査担当者は時間の節約になるので大いに気に入っています」とBetancourt氏はコメントしています。

同社は、モジュラーシステムにより、コンテンツ制作者がすべての市場にわたってブランドに忠実であり続けると同時に、創造性を発揮できるようになったことをが明かしています。また、グローバルコンテンツを以前よりもはるかに早くローカライズできるようになっています。そして、モジュラーコンテンツ導入前はほとんど行われていなかったコンテンツの再利用は、すでに40%に達しており、さらに大幅な向上が見込まれています。

Betancourt氏によると、制作やレビューにかかる時間の長さや、グローバル戦略のローカル実施に対する可視性の欠如といった問題点をめぐる質問をし、Vault PromoMatsを使用するとそれをどう変えることができるのかを説明することで、変革の側面ごとにチームの賛同を得ました。「私の経験では、人はメリットがあるとわかれば同調するものです」とBetancourt氏はコメントしています。

企業によってはカスタムソリューションに魅力を感じるかもしれませんが、Novo Nordisk社はVeevaのベストプラクティスツールを利用するメリットがあると考えました。「Veevaのソリューションは当社が行いたかったことに非常に近かったことから、独自ツールを開発する必要はありませんでした。そのため、大規模な投資をすることなく、幸先の良いスタートを切ることができました」とBetancourt氏は話しています。

Novo Nordisk社のVeeva Vault PromoMats導入成果

• Vault PromoMatsにより、コンテンツ・資材制作件数が5,000件から3万1,000件に増加
• グローバルで統一されたコンテンツ標準により、あらゆる資材の品質が向上
• コンテンツの制作状況や稼働状況を完全に可視化
• 資材によっては、レビュー・承認プロセスのスリム化によって全体的なレビュー時間が半分に短縮
• レビュー時間の予想年間削減効果は5,000時間に相当
• すべてのデジタルチャネルにおけるカスタマーエクスペリエンスに関する詳細なインサイトを含めて、コンテンツの制作から再利用まで追跡可能に
• Novo Nordisk社のすべてのブランドが2022年末までにモジュラーコンテンツを導入予定

Veevaのソリューションは当社が行いたかったことに非常に近かったことから、独自ツールを開発する必要はありませんでした。そのため、大規模な投資をすることなく、幸先の良いスタートを切ることができました。 — Alejandra Betancourt氏、Novo Nordisk社マーケティングオペレーション担当グローバルディレクター

余力がさらなるコンテンツを生む

Novo Nordisk社は、わずか2年でコンテンツ制作件数が5倍に増加したほか、資材の制作に必要な日数が104日から23日に短縮され、資材のレビュー時間も4分の1に短縮されました。その結果、同社のマーケティング担当者は、さらに多くのコンテンツリクエストに対応する余力が生まれています。

Vault PromoMatsは、Novo Nordisk社とコンテンツ制作業者1,500社とのコラボレーションの効率化にも役立っており、現在ではコンテンツの制作状況や稼働状況が完全に可視化されています。同社は、来年にはモジュラーコンテンツの利用をすべてのブランドに拡大する予定です。

「業界関係者にどうすればよいかを尋ねられたら、変革が必要な部分とそれを実現するために必要な基本要素を明確にする必要があると答えています」とBetancourt氏はコメントしています。

変革が必要な部分はわかっていました。モジュラーコンテンツを中心とするVeevaとのパートナーシップのおかげでその変革に着手できました。 — Alejandra Betancourt氏、Novo Nordisk社マーケティングオペレーション担当グローバルディレクター