Work Anywhere従業員を信頼し、権限を認めること
自主性の尊重と働く環境がイノベーションを促進する
多くの企業がリモートワークの方針について苦慮しています。それを変えられるのが従業員を中心としたロジックです。製品とサービスに関する意思決定をする場合はお客様の目線で考えようとしますが、従業員に影響する方針を策定するときも、同じように厳密に、従業員の立場に立つべきなのです。
Veevaでは、2020年9月に導入したWork Anywhere(「勤務場所を選べる働き方」)方針の策定にあたって、かなりの検討を重ねました。出発点となったのは、Veevaの従業員は自分のため、チームのため、お客様のために生産性を高めたいと考えている、という基本的な信念でした。それを実現するベストな方法を決定するには、従業員を信頼し、権限を認める必要があります。私たちの取り組みの多くは、従業員の自主性がエンゲージメントとイノベーションの重要な要因だという考え方を基盤としています。また、様々な場所で多様な人生経験を積んだ人々が協働し、そこから多様な考え方が次々と生まれることでイノベーションが活性化するという信念もあります。
私たちは、Work Anywhereが従業員の働き方と家庭生活にどのような影響を与えるのかを検討し、持続的な方針には安定性と明確さが重要だという点を考慮し、次の5大方針を策定しました。Veevaにとって有効な方針であり、これを読まれる方の参考になるかもしれません。
1. どこからでも仕事ができる
どんな日でも、オフィスか自宅を勤務場所にできます。
これは、各自に最適な方法と場所で仕事をするということです。この企業方針はあらゆる事業所と部門に適用されています。例外は、施設スタッフなど、業務遂行のために現場にいなければならない「特定の場所で勤務する従業員」です。
2. どこに居住してもよいという意味ではない
製品チームは共同作業を進めるため、開発拠点のあるタイムゾーンを含めた2つのタイムゾーン内に居住することとしています。
営業職は、訪問する担当顧客と同じ地域に居住するものとしています。お客様がボストン在住なら、残念ながらハワイ住まいはできません。
3. 居住地を変えても、報酬は変わらない
同一国内で移住する場合、給与に変更は生じません。
居住地は従業員とその家族に影響を及ぼします。転居した場合に報酬額が変わるのかどうか(変わるならその金額)、そもそも今の仕事を続けられるのかどうかがわからなければ、誰でもストレスと不安を感じるでしょう。それは排除したいと考えました。
Veevaで働けば、好きな場所に住み、生産性を高められます。
4. 全従業員は平等
Veevaには「リモート従業員」のような存在はいません。この呼称は、オフィスで働かなければ、多少違う扱いを受けることを暗示しています。
私たちは全従業員が必ず同じ待遇を受ける、明確なWork Anywhere方式を採用しています。たとえば、会議に誰か1人がZoomか電話で出席し、他の出席者全員は会議室に揃っている場合、その1人には偏った、不自然な力関係が生じます。そこで、私たちのルールでは、会議にZoomで参加する人が1人でもいれば、全員が自分のワークスペースからZoomで参加することとします。これでオフィスにいても在宅でも、誰もが平等に参加できます。もう1つの例は四半期ごとのカンパニーコール(従業員との対話)です。私は必ず自分のデスクから1人で参加することにしています。グループの数人とオフィスで対面しながら、残りの人にはZoomで参加してもらう形態にはしていません。
5. 協働の拠点としてオフィスに投資
Work Anywhereにより、Veevaのオフィスは人々を引き寄せ、社会的な絆を生み、偶発的なつながりやアイディアの融合が生じる拠点として機能しています。オフィスと文化、オフサイトのミーティングへの投資は削減するどころか、増大しています。新規オフィスは以前より小規模で、つながりと共同作業を促進するレイアウトにしています。最近、ボストンの開発拠点がオープンし、世界のVeevaオフィスは34カ所となりました。
私たちが1年以上前にこの取り組みを始めた時は、わからないことが数多くありました。しかし私たちは共に学び、適応し、理解していくだろうという確信はありました。Work Anywhereからこのような前向きな変化を生んでくれたVeevaチームに感謝しています。